三田芸術学会 Mita Society for the Science of Arts

三田芸術学会は、芸術諸領域に深い関心を寄せる方々や、美学・美術史学・音楽学・アート・マネジメントなどの諸領域の研究者からなる団体です。本会は、1920年に慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻の澤木四方吉教授によって創立されました。その当初より、専門家にかたよらない開かれた集いを志向する学会です。「おしらせ」のページには、本会や会員のニュースとともに、慶應義塾における芸術諸領域に関係する催事や活動もご紹介します。なお、本会のご案内はすべて会員にむけての発信です。会員でない方は、例会ほかへの参加不可ですが、とくにご希望があれば、あらかじめ事務局までお問い合わせください。 [三田芸術学会について]

三田芸公式ブログを開設いたしました

以下のリンクをご参照ください。

http://mitageijutsu.livedoor.blog/

今後、総会、例会等、最新のお知らせは、こちらで配信いたします。

2018年度

2018年度 3月

総会と講演会のお知らせ

本年度の総会と講演会を下記のように開催いたします。総会終了後、ひきつづき講演会を開催します。

皆様、ふるってご参加ください。講演会の参加費は無料で、申し込み不要です。

講演会講師の小林 頼子君 は、 わが国を代表するオランダ美術史、とくに画家フェルメールの研究者

として知られ、皆さまご存じのように、国際的に活躍されています。 現職は、目白大学社会学部教授。

略歴は以下のとおりです。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程満期退学、修士(美学)。ユ

トレヒト大学美術史研究所留学、慶應義塾大学ほか非常勤講師を経て現職。専門は17世紀オランダ美

術史、グローバル時代の美術交流史。平成10年第10回吉田秀和賞受賞。著書:『フェルメ-ル論』

(八坂書房 1998;改訂2009)、『フェルメ-ルの世界』(NHK出版協会 2000)、『花と果実の

美術館』(八坂書房 2011)、『庭園のコスモロジ-』( 青土社 2013)、『フェルメ-ル全作品集』

(小学館 2018)、『グロ-バル時代の夜明け』(共著、晃洋書房 2017)、『フェルメール 作品と

生涯』(KADOKAWA 2018)、『フェルメ-ル作品集』(東京美術 2018)など。論文: “Japan’s

Encounter with the West through VOC-Western paintings and Their Appropriation in Japan” , in

Thom. D. Kaufmann et al., eds., Mediating Netherlandish Art and Material Culture in Asia ,

Amsterdam University Press, 2014, pp.239-244;“The Value of Misinterpretation in Cultural

Exchange: The Transfer for Christian Parints from the West to Japan”, in Ch.Goettler et al., eds.,

The Nomadic Object: Early Modern Religious Art in Global Contac, Brill, 2017, pp.21-240 など。

 

<総 会>

日 時: 2019(平成31)年 3月30日(土) 午後 1時30分より

場 所: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎3階 432番教室

議 題: 会計報告、来年度予算案、役員交代、事業報告ほか

 

< 講演会 >

日 時: 同 日   午後 2時~3時15分

場 所: 同 所   南校舎3階 432番教室

演 題: 「オランダ美術の公と私   ――フェルメール作品をめぐって 」

講 師: 小林 頼子 君 (目白大学社会学部教授)

 オランダ画家フェルメール(1632~1675)の平明な小品を前に、鑑賞者は、一体、何を読み取っているのか。

扱われた主題、構図・手法のほとんどは他作家の先行例を追っているが、人物の心理の機微、色彩や光の効果

の追求、幾何学的遠近法の巧みな利用、己の構想の不断の検証など、試行錯誤の跡は明らかだ。その試みは、

市民社会の公私のモラル意識を結晶させるものでもあった。本講演では、フェルメールが、いち早くオランダ

で確立した「公」の意識と「私」の眼差しをいかに表象したか、細部に分け入りながら考えてみたい。

(以上、小林君による講演のご案内です)

 

<懇親会>

講演会終了後3時30分頃から隣接する433教室にて、講師を囲みささやかな懇親会を開催します。

(参加費500円)

2017年度 例会

2017年度

講演会

本年度の講演会を下記のように開催いたします。講師小針由紀隆君は、静岡県立美術館の学芸部長を務められ、ご研究の成果と密接につながる展覧会を数多く開催してこられました。同君はとくに西洋美術史17世紀の著名な画家クロード・ロランに関するわが国を代表する研究者としてよく知られています。今回は同君が長年にわたり研究されてきたテーマでお話をうかがえる機会となりました。皆さま、ふるってご参加ください。なお、終了後、懇談の機会を設けています。

風景画は17世紀のオランダとイタリアで大きく花開きました。イタリアで興隆したのは、理想風景画と呼ばれるタイプで、ローマで活動したクロード・ロランとプッサンの精励によって成熟をみました。ローマはまた、古代美術の遺産と静穏な自然が強烈な磁力となり、アルプスの北側から多くの風景画家を常に惹きつけていました。本講演会では、ローマとその近郊に注目し、この地域が西欧風景画の発展に果たした役割の大きさについて考えます(小針由紀隆)。

 

<講演会>

日時:2017(平成29)年 7月15日(土) 午後 2時~3時30分

場 所: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎4階 443番教室

演 題: 「西欧風景画史におけるローマの役割--クロード・ロランからコローへ」

講 師: 小針 由紀隆 君 (静岡文化芸術大学文化政策学部教授)

参加費: 無料、申し込み不要。

(終了後に同校舎3階「社中交歓萬来舎」にて懇親の集いを開催します。ご都合のつく方はぜひご参加ください。なおドリンク代は各自ご負担願います。)

小針由紀隆君は、慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。フィレンツェ大学留学。慶應義塾大学、静岡大学、常葉大学非常勤講師。国立西洋美術館客員研究員。静岡県立美術館学芸部長をへて現職。静岡文化芸術大学では博物館学及び美術史学を担当。主たる研究テーマは、17-19世紀イタリアにおける風景画の諸問題。

著書:『ローマが風景になったとき』(春秋社)、『ローマ:外国人芸術家の都』(竹林舎、共著)、『版画の写像学』(ありな書房、共著)、『フランス近世美術叢書:絵画と受容』(ありな書房、共著)、『フィレンツェの秋』(中央公論美術出版、共著)など。展覧会カタログ『イタリアの光--クロード・ロランと理想風景画』(国立西洋美術館)、’Plein-air Painting in Europe 1780-1850′ (Sydney, Melbourne) ほか多数。

 

2016年度 例会

2016年度

総会と講演会

本年度の総会ならびに講演会を開催します。

講演会講師平野昭君は、わが国におけるベートーヴェン研究を代表する研究者のひとりで、大学での活動のほかに、国立音楽大学音楽研究所ベートーヴェン部門所員や、故諸井誠が立ち上げた「日本ベートーヴェンクライス」共同代表として研究会やレクチャーコンサート等音楽実践分野でも活躍しています。

そもそも放送や録音メディアのない19世紀までの音楽作品は、さまざまな編曲によって普及していました。ベートーヴェンの交響曲も初演時のオーケストラ演奏に立ち会えなかった多くの人々は、まず編曲版で作品に触れていました。F.リストらによって作成されたピアノ編曲(2手用、4手連弾用)や、様々な楽器編成による室内楽編曲版は、19世紀を通して出版され続けました。編曲版は、作品の普及と伝播を大きな目的としていましたが、19世紀までの音楽受容、言い換えれば、人々がどのように音楽を享受していたかを知る重要な歴史資料となっています。今回の講演は、こうした編曲版のもつ新たな価値を見出そうとする興味深いテーマです。

<総 会>

日 時: 2017(平成29)年 3 月11日(土) 午後 2時~2時20分

場 所: 慶應義塾大学三田キャンパス 大学院校舎1階 313番教室

議 事: 決算、予算案、役員改選、事業報告ほか

<講演会>

日 時: 同 上  午後 2時30分~4時

場 所: 同 上

演 題: 「作品としての編曲版:19世紀におけるベートーヴェン音楽受容の側面」

講 師: 平野 昭 君 (前・慶應義塾大学文学部教授)

参加費: 無料、申し込み不要。

平野昭君は、静岡文化芸術大学名誉教授、沖縄県立芸術大学大学院音楽芸術研究科客員教授。武蔵野  音楽大学大学院音楽学専攻修了。専門は西洋音楽史。とくに18―19世紀の音楽様式史。現在、東京芸術大学、東京音楽大学、横浜市立大学等で西洋音楽史、作曲家作品研究、音楽文化論等を担当し、評論分野では「毎日新聞」にコンサート・レビューを執筆。またNHKを中心にFMやTVに解説者として出演、月刊誌『音楽の友』『音楽現代』等にレビューおよび連載「名曲タイムトラベル」を寄稿しています。

著書:『ベートーヴェン』(新潮文庫)、『ベートーヴェン事典』(東京書籍・監修共著)、『ベートーヴェン大辞典』(平凡社・監修共訳)、『音楽キーワード事典』(春秋社・共著)、『鳴り響く思想:現代のベートーヴェン像』(東京書籍・共著)、『作曲家・人と作品:ベートーヴェン』(音楽之友社)等。論文多数。

 

*          *          *

 

見学会と講演会 「日本の伝統芸能展 ―― 国立劇場開場50周年記念」特別展

日 時: 2017(平成29)年 1 月18日(水) 午後 1時30分~

場 所: 三井記念美術館(日本橋・三井本館 7階)

     〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2−1−1  電話 03-5777-8600

     東京メトロ銀座線・半蔵門線  三越前駅【A7出口】

集 合: 三井本館1階の美術館専用エレベーター前に 午後1時20分

                    (7階の美術館入り口ではありません)

予 定: 講演会 午後1時30分 開始   (敬称略)

      講演1 鈴木隆敏(元慶應義塾大学大学院講師)

          「文楽の危機的状況――国立劇場12月講演『通し狂言仮名手本

           忠臣蔵』から見えてきたこと」

      講演2 清水 実(三井記念美術館学芸部長・主任学芸員)

          「日本の伝統芸能が生んだ造形芸術」

     見学会 午後3時~  各自見学

     懇親の集い 午後4時頃~ 同美術館内7階 ミュージアム・カフェ

           (電話 03-3458-1050)

           なお同店は座席予約ができませんので、適宜ご着席となり

           ます。予めご了解ください。

参加費: 1,100円(展覧会入場料<団体料金>。講演は無料)

          *          *          *

見学会 「文人として生きる ―― 浦上玉堂と春琴・秋琴 父子の芸術」展

日 時: 2016(平成28)年11月22日(火) 午後2時~3時20分

場 所: 千葉市美術館  〒260-0013 千葉県千葉市 中央区中央3−10−8

                    電話:043-221-2311(代表)

集 合: 千葉市美術館 8階会場入口に 午後1時50分

行 程: 午後2時 学芸員による本展紹介後に、見学

     午後3時30分 懇親の集い 同館11階 かぼちゃわいん美術館店

     午後4時 解散 (展覧会には入場券半券提示で当日再入場可)

同館へのアクセス: JR千葉駅(東京駅地下ホーム総武線快速千葉方面で約42分)

         千葉駅より徒歩約15分 / 千葉都市モノレール県庁前方面行

                                    「葭川(よしかわ)公園駅」下車徒歩5分 /  京成バス(バス

                                     のりば7)より大学病院行または南矢作行「中央3丁目」

         (自動車ほかは千葉市美術館ホームページのアクセスを参照)

千葉市美術館(館長:河合正朝君)にて開催される表記の展覧会を、川端康成旧蔵の国宝・浦上玉堂《東雲篩雪図》展示(11月22日~27日)にあわせて見学し、また懇親の集いをひらきます。

2015年度

総会と講演会 2016(平成28)年4月2日(土)

総会  午後3時~3時20分

場所: 慶應義塾大学 三田構内 南校舎四階 443 番教室

議事: 会計、役員の一部交代報告ほか

講演会  

演題: 「ニコラ・プッサンの宗教画再考 ―― 没後350年記念展覧会『プッサンと神』展をめぐって  」

講師: 望 月 典 子  君 (慶應義塾大学文学部非常勤講師)

場所: 慶應義塾大学 三田構内 南校舎四階 443 番教室

時刻: 午後3時30分~5時  参加費無料・申込不要

望月典子君は、パリ第一大学DEA課程修了、2008年3月慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史分野博士課程修了。博士(美学)。専門は17世紀フランス美術史で、著書に『ニコラ・プッサン: 絵画的比喩を読む』 (慶應義塾大学出版会、2010、第16回地中海学会ヘレンド賞受賞)、『フランス近世美術叢書V: 絵画と表象II』 (近刊、共著)、『イメージの探検学V: 変身の形態学』 (2014、ありな書房、共著)、『フランス近世美術叢書II: 絵画と受容』 (2014、ありな書房、共著)ほか、論文に “Mars et Vénus de Nicolas Poussin: Sa réception de l’art antique et de la poétique de Marino”, Dix-Septième siècle, (Presses Universitaires de France), 2012, pp. 341-351; 「ニコラ・プッサン作《バッコスの勝利》と《パンの勝利》: リシュリュー城「王の陳列室 (キャビネ) 」の装飾における意味について」『美術史』 (美術史学会編)、2006,pp. 298-315  (平成18年度美術史学会『美術史』論文賞受賞) ほか。

昨2015年春から初夏にかけて、ルーヴル美術館においてプッサン没後350年を記念する画期的な「プッサンと神」展が開催されました。ニコラ・プッサン(1594-1665)は、演劇的な人物像表現に傑出した才能を示すフランス古典主義の画家ですが、同時にセザンヌやピカソがたえずその構図を参照した天才でもあります。望月典子君は、わが国のプッサン研究を代表する研究者のひとりで、その活躍は国際的にも知られています。今回の講演では、「プッサンと神」展に出陳された作品を紹介しつつ、国際的なプッサン研究の動向とご自身の作品解釈を織り交ぜて、美術史研究の最先端の成果と関心をお話いただきます。

講演会 2015年10月17日(土)

演題: 「 藤田嗣治 再考 ―― 作品構想と史的位置をめぐって 」

講師: 矢 内 みどり  君 (慶應義塾大学文学部非常勤講師)

場所: 慶應義塾大学 三田構内 南校舎七階 477 番教室

時刻: 午後2時30分~4時   参加費無料・申込不要

矢内みどり君は、文学部美学美術史学専攻を卒業し、その後、同学部に学士入学されてフランス文学を専攻。卒論は「日本人の美意識と桜」、「ギュスタヴ・モローのサロメ像ーユイスマンスの『さかしま』をめぐる考察」。目黒区美術館で約30年間学芸員として活躍され、《レオナール・フジタ 絵と言葉展》、《高野三三男アールデコのパリとモダン東京》展、《山名文夫 永遠の女性像・装いの美学》展などを実施されました。著書に『日本の近代美術8――日本からパリ・ニューヨークへ』(1993年大月書店、共著)、『日本の近代デザイン史』(2006年美学出版、共著)ほか。2015年9月より文学部にて非常勤講師を務めています。

本年2月、長年の研究をふまえ、『藤田嗣治とは誰か――作品と手紙から読み解く美の闘争史』(求龍堂)を上梓されました。同君をむかえ、藤田嗣治をめぐる最新のご研究の一端をお話しいただきます。

2014 年度

総会と講演会 2015(平成27)年1月19日(月)

総会 午後4時30分~5時15分

場所: 慶應義塾大学 三田構内 南校舎七階 471 番教室

議事: 会則改定、役員改選ほか

講演会  

演題: 「 南宋官窯と米色青磁 ――『日本人が愛した官窯青磁』展をめぐって 」

講師: 佐 藤 サアラ 君 (常盤山文庫 主任学芸員)

場所: 慶應義塾大学 三田構内 南校舎七階 471 番教室

時刻: 午後5時15分~6時30分  参加費無料・申込不要

佐藤サアラ君は、大学院美学美術史学専攻にて東洋陶磁史研究に取り組まれ、修士課程修了後、出光美術館中近東文化センターに勤務され、2005年に常盤山文庫上席研究員に就任されました。また論文「明代景徳鎮窯の研究――官窯様式の展開とその生産背景」によって2005年に博士学位を取得。実践女子大学、中央大学、慶應義塾大学の講師として、専門の陶磁史のみならず、ひろく工芸史、日本伝統文化論なども教えられてきた気鋭の研究者です。昨年2013年には、優秀な陶磁史研究者に与えられる「小山冨士夫賞奨励賞」を受賞され、その活躍が注目されています。

今年の5月から10月にかけて上野の東京国立博物館東洋館で「日本人が愛した官窯青磁」展が開催されました。たとえ古今東西を問わず、さまざまな時代と地域の絵画や彫刻に関心を寄せるとしても、私たち日本人は必ずと言ってよいほど、優れた青磁の作品に心惹かれるのではないでしょうか。今回の講演会は、まさに青磁研究のスペシャリストである佐藤君に、最先端の研究の紹介とともに、平易かつ率直に青磁の魅力を語っていただきます。皆様には、初春にふさわしい講演会になると存じます。お誘いあわせのうえ、ふるってご参加ください。

講演会 2014(平成26)年7月28日(月)

演題: 「 学芸員になるという事 」

講師: 草 薙 奈津子 君 (平塚市美術館館長)

場所: 慶應義塾大学 三田構内 南校舎七階 471 番教室

時刻: 午後4時30分~6時   参加費無料・申込不要

山種美術館より2004年に神奈川県平塚市美術館館長に赴任され、展観内容ほかの改善で入館者数を三倍にするなど10年間の見事な運営でいま話題を集めている草薙奈津子君を迎えて、講演会を開催します。同君はまた、日本近代美術研究や美術評論家連盟委員ほか、多方面に活躍しています。参加申し込みは不要。講演会終了後、草薙君を囲んでささやかな懇親会も開きます(会費・場所未定)。7月の毎週末は諸学会ほか催事が多いため、月曜日開催としますが、奮ってご参加ください。

[当初のご案内通知にて、草薙君を公立美術館最初の女性館長とご紹介しましたが、秋田市立美術館館長・市立千秋美術館館長井上房子氏ほかがいらっしゃいます。ここに記して誤記を訂正し、関係各位ならびに草薙君にお詫び申しあげる次第です。会長 前田富士男]

2013年度

総会と講演会 2014(平成26)年3月29日(土)

総会 午後1時30分~2時

場所: 慶應義塾大学 三田構内 大学院校舎一階 313番教室

議事: 報告、会計

講演会 

演題: 「フランツ・リストの宗教音楽観――《聖フランチェスコの太陽賛歌》と《盲目の歌手》などを例に」

講師: 福 田  弥 君 (武蔵野音楽大学 常勤講師)

場所: 慶應義塾大学 三田構内 大学院校舎一階 313番教室

時刻: 午後2時~3時15分   参加費無料・申込不要

福田弥君は大学院にて音楽学、とくにフランツ・リスト(1811-86)の宗教音楽研究をすすめられ、1995年にハンガリー政府奨学生としてブダペストの国立リスト音楽院に留学。近年はリストの1860年代のローマ滞在時における楽曲の展開、また知的な交友関係を追究され、本年二月には立教大学にて、その斬新な研究成果により、第26回「辻壮一・三浦アンナ賞」を受賞されました。今回は、リストの宗教音楽を多面的に検討していただきます。皆様には年度末のご多忙の時期と存じますが、お誘いあわせのうえ、ふるってご参加ください。

見学会 2013(平成25 )年5月10日(金) 午後6時~8時(夜間開場日)

「フランシス・ベーコン展」

場所: 東京国立近代美術館 (地下鉄東西線「竹橋駅」1b出口3分)

集合: 同館1階入口ホワイエ 午後6時 (厳守) 申込不要

参加費: 無料(本会が団体券を購入して配布)

ホワイエにて保坂健二朗君による展観解説 その後、自由見学。

ベーコン(ダブリン生、1909-92)は禍々しい人体表現の画家とみなされがちですが、傑出した絵画空間を構築し、ヨーロッパ文化の根底をなす理性と感性の相剋を虚実皮膜の間に揺れる「生」に即して描きつづけた芸術家です。本展は注目すべき回顧展であり、同時に二十世紀芸術の根本を身体表現に問うテーマ展でもあります。ベーコンの研究者で、また本展を担当する東京国立近代美術館主任研究員・保坂健二朗君の協力をえて見学会を開催します。会員の皆さま、ぜひご参加ください。

2012年度

総会と講演会 2013(平成25 )年3月30日(土)

総会 午後1時30分~3時30分

場所: 慶應義塾大学三田構内 大学院校舎1階 313番教室

議事: 報告、会計

講演会  

演題: 「『一切の価値転換時代』の美意識」

講師: 高 橋  巌 君(美学研究)

場所: 慶應義塾大学三田構内 大学院校舎1階 313番教室

時刻: 午後2時~3時30分   参加費無料・申込不要

講師の高橋巌君は、1960年に慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻専任講師に就き、『美学事典』(竹内敏雄監修、1961年)の芸術学関連項目執筆をはじめ、ドイツ・ロマン主義の美学・美術史の研究・教育に活躍されました。1973年に教授を退職されたので、本年でいつの間にか40年を閲したことになりますが、今もひろくルドルフ・シュタイナー研究を中心に活躍されています。このたびは、目下追究されている現代の美学的な課題についてお話いただきます。

講演会 2012(平成24 )年7月28日(土)

演題: 「タピスリー修復とその歴史 ―― 西洋美術館所蔵《シャンボール城・9月》を中心に」

講師: 石 井 美 恵 君(修復家・東京文化財研究所文化遺産国際センター客員研究員)

場所: 慶應義塾大学三田構内 南校舎6階 466番教室

時刻: 午後3時~4時30分   参加費無料・申込不要

現在、上野・西洋美術館で開催中の「ベルリン国立美術館展」(9 月17 日まで)の最後の展示室に18世紀ゴブラン織りの大作タピスリー《シャンボール城・9月》が展示されています。これは、石井美恵君の4年間におよぶ修復作業完了後の初公開です。石井君は慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻を卒業し、ロンドン大学コートールド美術研究所大学院に進み、染織品保存学と美術史学を学び、同大学院修了後、ニューヨークのメトロポリタン美術館染織品保存部特別研究員として3年間勤務。帰国後は博士号を取得し女子美術大学講師ほかを務めつつ、わが国では貴重な修復専門家として国内外の染織品保存修復に活躍しています。皆さま、ふるってご参加ください。

2011年度

見学会 2012(平成24)年3月18日(日)

場所: 神奈川県立近代美術館 葉山 〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 電話:046-875-2800(代表)

山口蓬春記念館  〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2320 電話:046-875-6094

集  合: 神奈川県立近代美術館(葉山)に各自入館料を支払い入場し、館内の講堂に14:00

行  程: 14:00 開会挨拶  神奈川県立近代美術館(葉山)講堂 (開場:  13:30)

14:10~14:40 講演「展覧会と資料の関係をめぐって──藤牧義夫、村山知義、山口蓬春」

神奈川県立近代美術館館長 水沢勉君

14:40~15:00 講演「山口蓬春記念館──20周年を迎えて」

山口蓬春記念館学芸主任 笠 理砂君

15:10~15:55 見学「すべての僕が沸騰する 村山知義の宇宙」展(案内:三本松倫代君)

16:00     移動:山口蓬春記念館へ(引率:笠理砂君)

16:10~16:40  見学「特別展 新日本画への道すじ──戦後の画業を中心に」展 (案内:笠理砂君)

山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校(現・東京藝術大学)で日本画を学び、さらに洋画技法も学びつつ、独自な新日本画の世界を開拓しました。1991年、晩年をすごした葉山に山口蓬春記念館がオープン。開館20周年を迎えて、ただいま記念展の一環として「新日本画への道すじ──戦後の画業を中心に」が開かれています。慶應義塾大学大学院を修了された笠理砂君による講演と案内があります。神奈川県立近代美術館 葉山は目下、わが国の近代芸術の幕開けの時代に真の前衛的活動を展開した村山知義(1901-1977) の重要な回顧展を開催中です。村山の活動をあとづける初めての大規模な展覧会で、国内外の注目を集めています。本展を企画・実現した館長水沢勉君は、皆さまがよくご存じのように、横浜トリエンナーレ2008の総合ディレクターほか、国際的にも大活躍されています。今回の見学会では、村山知義と山口蓬春とをつなぐ視点を提示する貴重な講演をかってでていただきました。上記の予定で、両館の見学(展覧会案内は笠君と慶應義塾大学文学部卒の三本松君)もふくめ、内容豊かな午後のひとときをお楽しみください。

総会と講演会 2012(平成24)年3月3日(土)

総会  午後2時~2時15分

場所: 慶應義塾大学三田構内 大学院校舎一階 313番教室

議事: 報告、会計

講演会 

演題: 「思いもかけぬ一撃 ── ワーグナーの《タンホイザー》をめぐって」

講師: 三 宅 幸 夫 君(慶應義塾大学名誉教授/日本ワーグナー協会理事長)

場所: 慶應義塾大学三田構内 大学院校舎一階 313番教室

時刻: 午後2時30分~4時   参加費無料・申込不要

講師の三宅幸夫君は、テュービンゲン大学留学から帰国後、山形大学に勤務され、2001年に慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻教授に着任。2011年3月に慶應義塾大学を定年退職され、現在は日本ワーグナー協会理事長として、研究・評論ほか多方面に活躍されています。来年2013年はワーグナー生誕200年にあたり、世界中でさまざまな行事が計画されています。今回は、日本におけるワーグナー研究の第一人者による長いご研究をふまえた貴重なお話の場になるものと存じます。皆様には年度末のご多忙の時節と存じますが、お誘いあわせのうえ、ふるってご参加ください。

講演会 2011年10月30日(日)

演題: 「遙かなる古里の聖地 ──『春日』をあらわす歴史」

講師: 白原 由起子(根津美術館 学芸課長)

司会 河合正朝

場所: 根津美術館・講堂(港区南青山6-5-1)

時刻: 午前11時~12時   参加費無料・申込不要

2018年度例会のお知らせ

2018年度 7月

見学会のお知らせ

本年度の見学会を下記のように開催いたします。イサム・ノグチ(1904-1988)は、よくご存じのように、慶應義塾大学三田構内に旧・第二研究室《新萬来舎(ノグチ・ルーム)》(1951/現存)と同庭園内の彫刻《無》(1951/現存)ほかの作品をのこしました。むろん、この彫刻家の仕事は、世界的にますます高く評価される道を歩んでいます。2017年11月に大分県立美術館で開始された大規模な展覧会は国内を巡回し、その結びとして今回の東京での展覧会を迎えます。

「イサム・ノグチ――彫刻から身体・庭へ――」展は、7月14日~9月24日の期間にて、東京オペラシティ・アートギャラリーで開催されます。つきましては、下記のように見学会を行いますので、皆様ふるってご参加ください。

見学会では、まずこの展覧会の企画・展示の特性と意義を、本展担当のシニア・キュレーター福士理君より、PPTスライドほかにて解説いただきます。その後、午後2時ころより、会員は会場にて本展を自由に鑑賞してください。福士君は適宜、作品についての質疑に応じます。

< 見学会 >

日 時: 2018(平成30)年 7月27日(金) 午後 1時30分~

集 合: 午後1時30分 東京オペラシティ・アートギャラリー 入口玄関部

     (京王新線初台駅東口直結・徒歩5分 東京オペラシティビル 3階)

解 説: 「本展の美術史的意味をめぐって」 午後1時40分~

      福士  理  君(オペラシティ・アートギャラリ シニア・キュレーター)

見 学: 午後2時10分ころより

参加費:  一般入場料1,400円(本会では、当日に参加者数に応じて指示。この点、ご了承ください。各人は個別購入しないようにご注意ください。)

福士理君は、慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。西洋近代美術史、オランダ構成主義、立体造形研究を専門とし、札幌芸術の森美術館、ブリヂストン美術館などをへて2010年より現職。その間、慶應義塾創立150年記念展「未来をひらく福沢諭吉」展運営を担当。

共著:『20世紀の総合芸術家 イサム・ノグチ:彫刻から身体・庭へ』(平凡社)、『オランダのモダン・デザイン――リートフェルト/ブルーナ/ADO』(平凡社)、『篠山紀信 写真力』(読売新聞東京本社)、『写狂老人A 荒木経惟』(河出書房新社)ほか。

 

 

2017年度 3月

総会と講演会のお知らせ

本年度の総会と講演会を下記のように開催いたします。総会にひきつづき開催する今回の講演は、お二人の講師をお迎えします。皆様、ふるってご参加ください。講演会の参加費は無料で、申し込み不要です。

本学会の前会長である西川杏太郎君は、日本彫刻史研究・文化財保存学でわが国を代表する専門家で、このたびは慶應義塾にとって重要な「福澤諭吉と文化財保護」について論じられます。

今井澄子君は、ファン・エイク兄弟にはじまる初期フランドル画派の祈禱者像を取りあげます。この画派は、信徒が聖なる人物に祈る姿(=祈禱者像)を多く描きましたが、そこには、祈禱対象を中心とする宗教画であるにもかかわらず、祈禱者側の存在を主張するような世俗的な描写も含まれます。本講演は、このような祈禱者像表現の「モデル」を、当時フランドルの地を支配したブルゴーニュ公の描写に求める立場から、初期フランドル絵画における聖と俗の問題を考証されます。

 

<総 会>

日 時: 2018(平成30)年 3月31日(土) 午後 1時~1時30分

場 所: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎3階 433番教室

議 題: 会計報告、予算案、役員交代、事業報告ほか

 

< 講演会 1 >

日 時: 同 日   午後 1時30分~2時30分

場 所: 同 所   南校舎3階 433番教室

演 題: 「福澤諭吉と文化財保護」

講 師: 西川 杏太郎 君

 西川杏太郎君は、三田芸術学会の元会長。1950(昭和 25)年慶應義塾大学を卒業。文化財保護委員会、文化庁美術工芸課長等を経て、東京国立博物館次長、1987年からは奈良国立博物館館長、東京国立文化財研究所所長を歴任されました。また退任後も神奈川県立歴史博物館館長などの要職につかれました。

< 講演会 2 >

日 時: 同 日   午後 2時30分~ (4時に終了予定)

場 所: 同 所   南校舎3階 433番教室

演 題: 「祈禱者像の聖と俗 ―― 初期フランドル絵画の『モデル』をめぐって」

講 師: 今井 澄子 君

今井澄子君は、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程満期退学、博士(美学)。ベルギー・ブリュッセル自由大学留学、慶應義塾大学・関西大学ほか非常勤講師を経て現職。専門は15世紀フランドル美術史。著書に『聖母子への祈り――初期フランドル絵画の祈禱者像』(国書刊行会、2015年)、『ネーデルラント美術の魅力』(ありな書房、2015年、共著)、『ネーデルラント美術の光輝』(ありな書房、2017年、共著)ほか。論文に、“Placement and Functions of Jan van Eyck’s Rolin Madonna, in: Bulletin of the Study of History and Culture, Osaka Ohtani University, 17, 2017, pp. 1-22. ほか。2016年、「花王芸術・科学財団平成 27年度(第10回)美術に関する研究奨励賞」を受賞。

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